会長挨拶

川合 謙介

第38回日本ニューロモデュレーション学会

会長 川合 謙介

自治医科大学脳神経外科 教授

この度、2024年5月18日(土)に、栃木県宇都宮市にございますライトキューブ宇都宮にて第38回日本ニューロモデュレーション学会を開催させていただきます。本学会は1985年に電気刺激療法研究会として、さまざまな脳神経機能疾患に対する脳神経電気刺激療法に関心を持つ医療者や研究者の情報交換の場として始まりました。電気刺激療法の対象は、不随意運動、神経障害性疼痛、認知機能障害、うつ病、強迫性障害、てんかん、排尿・便機能の障害、消化管運動障害、末梢循環障害など広範囲に及びます。本学術領域の急速な発展に伴い、2005年の第19回から現在の日本ニューロモデュレーション学会に名称を変更して、電気刺激療法のみならず局所薬物療法も含めたさまざまなデバイス治療を対象としています。幅広い対象疾患を反映して、参加者も脳神経外科医、脳神経内科医、麻酔科医などに及んでおり、本学会はきわめて学際的な学会となっています。

また、本学会が対象とする治療手技のうち、不随意運動に対する脳深部刺激療法、難治性疼痛に対する脳深部刺激療法や脊髄刺激療法、排尿排便機能障害に対する仙骨神経刺激、痙縮に対するバクロフェン髄腔内ポンプなどはすでに保険適用下に広く施行されていますが、2023年7月には薬剤抵抗性てんかんに対する両側視床前核刺激療法が薬機承認されるなど、まさに日進月歩の領域であり、本学会の定期的開催によって最新の研究成果や技術を発表し、情報交換を行う場を提供することにはきわめて大きな意義があると考えております。

会員の皆様におかれましては、日頃の診療の工夫や研究の成果はもちろんのこと、お考えを余すところなくご発表いただき、本会が将来を見越した本質的な議論の場になれば主催者としては喜ばしい限りです。実りある学会となるよう、是非多くの皆様にご参集いただけますよう、心よりお願い申し上げます。

2023年8月吉日

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